人は誰にでも役割りがある、ということ
Oさんは筋ジストロフィーの方。
写真はラグーナ蒲郡へ旅行を楽しんでいるときの一コマ。
病気になって初めての一泊旅行だそうで、とても楽しんでもらえたようです。
看護師の同行が無いと外出すらできない人がいる
世の中には病気や障がいのため外出もままならない人がいます。
キャンナス岐阜ではそんな方々の外出を支援しています。
具体的には看護師(ボランティアナース)外出にが付き添うのですが、医療依存度の高い方の場合、看護師の同行により安心してお出かけを楽しんでいただきます。
移動支援はもともと活動趣旨として掲げていましたが、いまではキャンナス岐阜の象徴的な活動になっています。
もとはといえば一通のメールがキッカケでスタートしました。筋ジストロフィー症の若い男性から届いた一通のメールです。
「呼吸器を付けているので看護師の同行がないと外出許可が出ない。同行をお願いできませんか」
そんな依頼から始まりました。
岐阜の某所に多くの筋ジストロフィー症の方が過ごす医療機関があるのですが、彼らはそこで日常を過ごしています。
筋ジストロフィーといえば次第に筋力が衰えていく遺伝性の病気です。全身の筋力が衰えていき、手足が動かなくなるのはもちろんのこと、病気の進行とともに食べることも呼吸することも困難になっていく難病です。
私たちに移動支援の依頼をいただく筋ジストロフィーの方は呼吸器を着けた方。
呼吸器は彼らの「生命維持装置」ですから彼らが外出するためには看護師の同行が必要なのです。
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もっと気軽に外出できるように
映画が見たい。買い物がしたい。旅行に行きたい。
私たちがそう思えば行動に移すのは簡単です。
しかし彼らは自分のチカラではどうすることもできないのです。
近年、要介護の高齢者を対象にした旅行支援・移動支援は聞かれますが、重い障がい児・障がい者向け、とりわけ医療依存度の高い方向けのリーズナブルなサービスとなると、ほとんど無いと思いますが、キャンナス岐阜はそうしたニーズに応えることで、彼らが気軽に外出できるように支援しているのです。
ボランティアナースの2人とOさん
事務局の僕は、ふだん移動支援に同行することはないのですが、今回は宿泊先のチェックイン時にOさんのもとを訪れてごあいさつしました。
ロビーにいたOさんより、話したいことがあるとのこと。ボランティアナースの促されてOさんの口元に耳を近づけたところ、筋力の衰えたかすれた声で、しかも絞りだすような小さな声で、「今日はありがとうございました。こんな楽しいところに連れて来てくれて・・・夢が叶いました。本当にありがとうございました」とおっしゃってくれたのです。
そしてなんとプレゼントまで用意してくれていたのです。
仕事を通じて感謝される。こんなに嬉しいことはありません。この出来事は心が震えるほど印象的な瞬間で、この瞬間を思い出すだけで今でも涙がでます。
実は「与えてもらっている」
最近つくづく思うことがあります。
それは「与えている」つもりが実は「与えられている」ということ。
障がいを持つ人たちにサービスを提供している私たちは、提供しているつもりでも実はそうではないと思うのです。
彼らとの関わりを通じて、仕事の意味、生きることの意味、そして命の意味を深く考えさせられます。
障がいが重すぎて自由のない無い人たち。
人の手を借りなければ自分ではどうすることもできない人たち。
それでも彼らは笑顔だし、外出だってあきらめない。
些細なことで悩んだり、他人と比較して幸・不幸を計ったり・・・あたり前の幸せに気付けない人が多い世の中ですが、彼ら彼女らの笑顔に考えさせられるのです。
私たちは彼らの役に立っているつもりだけど、逆に生きるチカラをいただいています。
彼ら彼女らの存在自体が私たちに示すもの。
「彼ら彼女らは自らの役割りをまっとう」しているんだと思うのです。
そんな人たちのため、出来ることできる範囲で見つけて実践していきたい。
気持ちを新たにしています。