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介護福祉事業を始めるなら法人格が必要ですが、法人の種類をどれにするかは迷うところ。

法人の種類には「株式会社」や「一般社団法人」、「社会福祉法人」や「特定非営利活動法人(NPO)」など様々ですが、大別すると「営利法人」と「非営利法人」に分けられます。

営利法人は株式会社、非営利法人はNPOがイメージしやすいかもしれません。
介護福祉事業を行うならどちらの法人形態であっても問題なく始めることができます。

私は2011年から現在まで株式会社の代表をしていますが、途中の2014年から2017年まで既存のNPO法人の代表にも就任しました。その経験からそれぞれの長所・短所を簡単に書いてみます。

まず株式会社。設立するための費用が掛かり、登録免許税や定款認証費用、専門家の代行手数料などを合わせるとだいたい25万円から30万円くらいが相場です。
私が会社を立ち上げる際に支払った金額ははっきり覚えてませんが、30万円近く払ったような記憶があります。

加えて資本金が必要です。私は貯金と退職金から500万円を資本金として投じました。資本金は会社立ち上げ時に一時的に通帳に振り込む必要がありますが、会社を立ち上げてしまえばあとはどのように使っても自由です。但し、社長ひとりの株式会社でも自分の給料は自分が払った資本金から払います。自分のお金から自分に給料を払い、社会保険料も払うわけですが、売上がないうちは、通帳の残高がみるみる減るので、なかなかの恐怖感を味わえます(笑)

他方、NPOは設立するための費用は一切不要で、資本金も要りませんが、福祉事業を始めるためには必要な人員基準があり、人件費も必要ですからまったくゼロでは運営そのものができず資金は必要です。NPOには出資という考え方がありませんから設立メンバーや仲間内で寄付をするか、借りるなどして資金調達することが多いと思います。

私が関わったNPOは障害児向けの福祉サービスでしたが、設立当初の曖昧な出資関係の問題で、寄付だと思っていた資金が実は借りたものであったことが後からわかるなど創立時の理事会が抱えていた問題の処理に追われました。

NPOは目の前にある課題を解決したいとった「思い」から始まることが少なくないためか、そこに集う人も仲間内であることが多いため、口約束でモノゴトが進んでいくことがあるようです。

ちなみに私がNPOに関わることになったのは、それらの様々な問題の整理と経営再建を託されたからでしたが、株式会社のように株主や役員の意思決定によりスピード感をもって事業が運営できる営利法人と異なり、多数決でものごとが決まるNPOのような非営利法人のほうが経営上の難しさ感じました。

また、非営利法人あるあるの「利益を追求してはいけない」という意味不明な誤解があるせいか、目の前の課題を解決するためにスピード感をもってやるべきことですら多数決のせいでできなくなることがあったりします。

さらには非営利法人の運営の本質を理解していない誤解したままの理事(役員)がいると本当にやっかいで「儲けてはいけない」と強く思いこんでいたりしますので、リーダーシップが組織をひっぱるようなやり方は難しいかもしれません。

営利、非営利、どちらが良いとかどちらが悪いとかの結論はでないのですが、変化の激しい時代なので、スピード感をもって経営したいなら株式会社のほうが良いかもしれません。

また、金融機関からの資金調達は株式会社のほうが圧倒的にしやすいので、私は株式会社のほうが自分に合っていると思いますね。



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