札幌の自立支援住宅が全焼し、11名の尊い命が失われた。 (施設といっても実態はアパートらしい)

亡くなられた方には心からご冥福をお祈りしたいと思う。

この事件を各メディアが思い思いに報道しているが、ある番組で若干の違和感を覚えたのでブログに書きます。

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記者がNPO法人の代表者に畳み掛けるように質問していたが、その質問ひとつひとつに丁寧に答えている姿が痛々しかった。

このような支援事業は利益度外視で取り組んでいると思うが、事故が起きたあとでリスク管理を問われたら返す言葉はないだろう。


「なぜスプリンクラーを付けなかったのか」とコメンテーターがコメントしている場面があったのだが、共同住宅(いわゆるアパート)にスプリンクラーの設置義務はない。

なのにスプリンクラーが付いてないから多くの犠牲者が出たと報道されてしまう。

生活保護の方や障がい者がアパートを借りようとするとほとんどの場合は拒否される現実がある。だから地域に必要なアパートだったと思うが、そうした人たちで埋め尽くされるアパートだとコメンテーターに「これは施設ではないか」と言わる始末。

ならばグループホームにすべきかといえばそれも無理な話で、障害者向けならともかく生活保護者向けのグループホームは制度上、存在しない。

また、障害者用グループホームは区分の重い障害者向けでもない限りスプリンクラーの設置義務は無いが、こういう事件が起きるたびに世間の目と法律がますます厳しくなっていくのだろう。

しかしスプリンクラーは設置コストがやたら高く、既存の建物に設置するのはなおさら困難。取り付けたくてもできない厳しい現実がある。

今回の事件で消防法はさらに厳しくなると思うが、法律を厳しくすればするほどコストの問題で支援しづらくなり、その結果、生活困窮者や障がいを持つ人たちが居場所を失っていく可能性がある。

命を守るための法整備は必要だと思うが、その一方で生じる現実も踏まえておく必要があるだろう。


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写真はネットからお借りしました。


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