看護の力で地域を変え社会を変える。

くらしケアの企業理念で、私たちはこの理念を実現するために集い、働いています。

今回はこの理念について少し詳しく書きたいと思います。


くらしケアに関わりのある方や興味のある方、これから関わるかも知れない方に読んでいただけたらうれしいです。



看護の力、に込めた意味


くらしケアでは訪問看護師が主役であり花形です。

例えば病院なら医師の先生が主役だと思いますが、くらしケアは訪問看護師が主役、と云えば伝わるでしょうか。


訪問看護師として働ける人は看護師、保健師、作業療法士等。

一般的な訪問看護ステーションで働く人たちと特に変わるものではありませんが、ウチの最大の特徴は、くらしケアで行うすべての周辺事業や施策が、生活支援者としても活躍する訪問看護師の力を最大限に発揮するために存在しているということです。



現在の事業は訪問看護事業を中心に、相談支援事業と居住支援事業の3つの事業がありますが、相談支援事業と居住支援事業が存在しているのは、看護を中心に生きづらさを抱えたご利用者様の質の高い暮らしの実現のためで、周辺事業はそのために存在しています。


次にくらしケアの訪問看護師の役割を説明します。



くらしケアの訪問看護師の役割


くらしケアのご利用者様は精神障害のある方や難病の方など障害者を主たる対象としていますが、私たちの考える障害者は「生きづらさを抱えている方」と定義しています。


こうした生きづらさを抱えているご利用者様は、病気や症状で生きづらさを抱えているのではなく、お金や食事、人間関係など「生活上の課題」で生きづらさを感じていることがほとんどです。

そうした方々に直接関わる看護師は、病気や障がいのことだけでなく「いかにその人らしく質の高い暮らしが実現できるか?」という役割を担っています。

単に訪問看護を行うだけなら病気や障がいのケアが目的になりますが、くらしケアは「生きづらさを抱えている方の暮らし全般を支援すること」を掲げているため、そうした方を総合的に支援できるのがくらしケアの訪問看護師なのです。



くらしケアの看護師が大切にしていること


総合的に支援するといっても決して「何でも屋になる」ということではありません。 


理念の「看護の力」には「ご利用者様の自己選択・自己決定を促す」という思いも込めています。


この意味を込めているのは私の身に起きた16歳〜17歳の2年間で起きた原体験が背景にあります。


当時、病気と障がいをいっぺんに受けた私が入院中にお世話になった看護師の言葉で、生きることにポジティブになれたこと、そして自己選択・自己決定をできるよう促してくれたことでいまがあると思っています。

私自身、「看護の力」で救われた人間で、看護の力でいまの人生があるといっても過言ではありません。

厳しくも優しい看護に救われたのです。


だから、くらしケアにおける看護とは「過剰なおせっかい」や「先回りして何でもしてあげる、聞いてあげる」は看護ではないと考えています。

実際のところ、何でもやってくれる看護のほうがありがたいのかもしれませんが、それはくらしケアの目指す看護ではないのです。


理由は簡単で、ご利用者様の自己選択や自己決定の機会をうばうから

その機会を奪うことは、地域で暮らす生きづらさを抱えている人の看護にはなり得ず、ご利用者様を依存させ、本人をダメにしてしまいます。

ご利用者様の自立を心から願い、親なきあとを安心していただきたいと真剣に思えば思うほどあたり前だと思うのです。


ちなみにこの価値観は看護師だけでなく、事務スタッフも共有しています。




私たちが目指す最終的なゴールとは


看護の力で自己選択・自己決定ができれば責任が生まれます。責任が生まれれば社会との約束を果たしていくことが必要になります。社会との約束を果たしていくことができれば自立へと向かいますが、その過程に私たちが寄り添い支援することが、親なきあとの解消につながると考えています。

これから立ち上げるであろう事業もすべて、理念にそって展開させていくことになります。


理念の実現により考える私たちの最終的なゴールは「親なきあと問題を解消できる企業」ですが、理念が実現していればきっと社会に必要不可欠な企業になっているはずです。

社会から必要とされる企業になっていれば潰れないでしょうし、従業員をより豊かにすることができるようになり、さらに良いサービスを提供できるようになると考えています。

もちろんまだまだ道半ばですが・・・。



今回は「看護の力」について書きましたが、次回は「地域を変え社会を変える」の部分について書きたいと思います。