「ブログをいつも読んでます」

昨日、ある女性より、そんなふうにおっしゃっていただきました。

まぁ照れくさいやら恥ずかしいやら嬉しいやらで、ワキ汗がたいへんなことになりましたね。


・・・という前置きは置いといて、今日のブログを始めます。

今日はナイチンゲールの看護覚え書の引用からスタートです。

人間は生まれつき「生命力」をもつ。
看護はその「生命力」を高めるように環境を調整する営みである。
by.F・ナイチンゲール

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「看護覚え書」(F・ナイチンゲール 1859年出版)

①換気と暖房 
空気を適切な温度に保ち、換気を十分にすること

②住居の健康 
綺麗な空気・水、下水溝の整備や採光等に気を配る

③小管理 
チームを組んで看護をしている場合、リーダーが他の看護師の言動に全て責任を持つ

④物音 
騒音や内緒話等不必要な物音は患者に不安を与えるので取り除く

⑤変化 
良い環境の変化が気分転換となり回復につながる

⑥食事 
体調等に合わせて食べられるようにする

⑦食物 
栄養バランスの良い食物を摂取する

⑧ベッドと寝具類 
小まめにシーツ交換をする 肌触り等患者に合った寝具であること

⑨陽光 
健康維持や回復のために陽光は必要なもの

⑩部屋と壁の清潔 
小まめに掃除を行い清潔を保つ

⑪からだの清潔 
からだを拭くと気持ちもすっきりして回復につながる

⑫おせっかいな励ましと忠告 
余計な話をして却って不安を与えてはいけない

⑬病人の観察 
表情や顔色、排泄物などを観察して患者の体調がわかるようにする



看護師以外の方に聞きたいのですが、「看護覚え書」を読んで、どんな感想を持ちますか?

私が「看護覚え書」を知ったときは、とても深くてとても新鮮な感動を覚えたことをいまでもはっきり覚えてます。

印刷して事務所の壁面に貼り、しばらく眺めてましたね。

「看護覚え書」は、ナイチンゲールが160年も前に記した言葉。

看護の基本的な考え方だと理解しましたが、興味深いのは「住まい」や「住環境」についても書かれていることです。

看護というと、ケガを処置したり、注射針をブスっと刺す女性(あくまで私のイメージね・笑)をイメージしがちですが、「看護覚え書」を読むと決してそうではなく、人々の生活の根本的な「暮らし」を整えることでその人の生命力を引き出す行為だと思いました。

精神保健分野に置き換えると、当事者のエンパワーメントを引き出す基礎となる力が「看護覚え書」にはあるように思ったのです。

これが看護の原点なんだ、基本なんだ、と(看護を受ける立場として)そんなふうに思ったものですが、昨日はふと「看護覚え書」が頭をよぎりました。

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昨日、岐阜のとあるセミナーに参加して思ったこと。

精神障がいなど、何らの課題を抱える人を対象に行われたセミナーです。

参加者の多くは精神障がいを持つ方か、ご両親またはご家族といった感じで、50人くらいの参加規模でした。

講師の話は地元の障がい福祉の歴史を作ってきた素晴らしい内容でした。

ただ、訪問看護の認識が明らかに間違っていると感じ、強い違和感を持ったのも事実です。

体温測って血圧測って薬飲んでるか確認するのが訪問看護、みたいな。

精神障がいの方には生活支援が必要ですが、訪問看護にはそれが出来ないと何度も断言する。

だから、代わりにその福祉団体が行っているというのです。

例えば食事を作れるようトレーニングする、掃除や洗濯ができるようになる、そういう生活能力を高めるための支援が必要な方に、訪問看護は対応できない(しない)と繰り返しおっしゃる。

たぶんそれは一般の訪問看護であり、本当の意味での精神科訪問看護では無いように思えたのです。

くらしケアは、最終的にご利用者様が自立して暮らしていけること、親なきあとも安心して暮らしていけること目指しているから、支援メニューは必然的にオーダーメイド的になる。

訪問看護の現場において、生活スキルの向上が必要な方であれば、看護の一環として必要な支援を提供するのが当然、という考え方になるはずです。



イレギュラーな例を挙げるなら、住まいがゴミ屋敷状態になってる方を、訪問看護が主導して片付けを行い、住まいを整えたことがあります。

なぜそこまでやるかというと、生活を立て直すためにゴミの処分は避けて通れないこと、そして片付けのスキルを身につけることが自立した生活の実現に必要と判断したからです。
(もちろん大半のゴミは産業廃棄物処理業者を手配しましたが、ゴミの選別や搬出、トラックへ積み込みは看護師と共同で行いました)

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※そのときの画像。くらしケアは宅建部門もあるから産廃業者さんも協力的です。


精神科訪問看護に対する世間の認識がそのレベルだとすると、後ろにいる福祉の人たちの多くは精神科訪問看護を誤解しているような気がしてならなくて、ちょっと困ったなという印象を持ちました。


私は看護の専門ではないので、訪問看護のことはしばらく書かないつもりでしたが、どうにもこうにもガマンできず書いてしまいましたが・・・

少なくともくらしケアの訪問看護は違うし、志の高い取り組みを行っていると思ってます。


ということでブログは以上です。
よい週末をお過ごしください。