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愛知県宅建協会主催の定例研修に参加した。

この研修は宅建免許(要するに不動産業)を持つ会社は参加を義務付けられているものだ。

午後1時から4時まで3時間みっちりと講義を受けるのだが、今回のメニューでは障害者差別解消法に関するテーマも少しだけ扱われた。

講師が言いたいことは、障害を理由に住まいの紹介をしないなどといった行為は法律で禁止されているからやめましょう、ということだが、ポイントは事業者に対して法的義務を課しているということだ。

国土交通省は、障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針において、宅地建物取引業を対象とする「差別的取扱いの具体例」「合理的配慮の具体例」として次のような事例を上げている。



正当な理由がなく、不当な差別扱いにあたると想定される事例

・物件一覧表に「障害者不可」と記載する行為。

・物件広告に「障害者お断り」と記載する行為。

・宅建業者が、障害者に対して「当社は障害者向け物件は取り扱っていない」として、話も聞かずに門前払いする行為。

・宅建業者が、賃貸物件への入居を希望する障害者に対して、障害(身体、知的、精神、発達、高次脳機能障害)その他、心身の機能の障害(難病に起因する障害を含む)があることを理由に、賃貸人(大家さん)や、家賃債務保証会社への交渉等、必要な調整を行うことなく仲介(紹介)を断る行為。

・宅建業者が、障害者に対して「火災を起こす可能性がある」等の懸念を理由に断る行為。

・宅建業者が、一人暮らしを希望する障害者に対して、一方的に一人暮らしは無理だと判断して、仲介(紹介)を断る行為。

・宅建業者が、車いすで物件の内覧を希望する障害者に対して、車いでの入室が可能かどうかなど、賃貸人(大家さん)との調整を行わずに内覧を断る行為。

・宅建業者が、障害者等に対し、障害を理由とした誓約書の提出を求める行為。




こうしたことを禁じているが、実際の居住支援の現場ではいくつも思い当たることである。

特に最後の誓約書については、契約書への特約という形で記載しなければ入居を認めてもらないこともあった。

国がいくら事例を示しも、実態はかなり厳しいと言わざるを得ない。

講師いわくありがちなケースとしては、大家が宅建業者に対して「うちは障害者の入居は認めない」とか「障害者なら断って欲しい」と対応を求めるケースがあるそうだが、実はこれはやってはならないとのこと。

なぜならこの法律は事業者に対して課しているから。

大家は個人消費者に見られがちだが、実は大家は事業者であり大家業をやっている。つまり、商売をしている人と同じ扱いであるから、消費者ではない。

従って障害者差別解消法を遵守する義務がある、というわけだ。

法律なんだから障害者も健常者と同じように部屋を貸すべき・・・と、法律ではそうなのだが、現実問題としては厳しいと言わざるを得ない。

なぜなら宅建業者は大家さんのおかげで商売が成り立っているから。お金を儲けさせてくれる人の意向を無視するわけにはいかない立場にあるのが宅建業者なのである。

私はくらしケアで障害者の居住支援をする立場だが、実に難しいと感じる部分である。

空き家(空き部屋)が埋まり、家賃が入ってくるのだから貸すべきだと思うのだが・・・。

障害者と住まいの課題は深くて大きい。

こういう話を聞くたびに、大家さんにも宅建業者にも、そして障害者にもそれぞれがハッピーな解決方法がないものかと思う。

今朝はこのあと30分後に2本目のブログを公開します。





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