昨夜は岐阜市のとあるホテルにいた。
目的は写真のチラシのシンポジウムに参加するためだ。

テーマは柳ヶ瀬を盛り上げながら岐阜市中心市街地を活性化させるにはどうするか、といった内容だった。




実はくらしケアは中期構想として、岐阜市中心市街地ににぎわいの場の創出と障害者就労を両立させた施設をオープンしたいと考えていて、市長交代と同時に岐阜市の中心市街地がどのように変化していくのかを模索するために参加した。

いきなり結論を書く。
駅前付近以外で出店すると失敗すると感じた。

まず感じたのはこのシンポジウムの会場に若者がほとんど居なかったということ。
300名のキャパの会場なのに若者の姿がほとんど見られない。

代わりにいるのは白髪交じりのダークグレーのスーツのオジサンか、年配の女性だ。

新市長は30代。だから若者がたくさん参加するものだと期待したのだが違った。

この様子を見て岐阜市の若者がこのテーマに関心が薄いと思わざるを得ない印象を持った。

岐阜市中心市街地活性化はすなわち柳ヶ瀬の活性化であり、岐阜城など周辺の観光資源と合わせて柳ヶ瀬商店街の活性化を再現したいという意向はわかるのだが、岐阜市役所移転後の新庁舎が建設される場所を見るに、市職員や市役所に用事のある住民は、おそらく柳ヶ瀬には流れていかない。

市庁舎移転に伴い、人の流れや導線が大きく変わる。

市職員の多くは通勤にバスを利用するだろうからまず歩かないと思われるので、途中下車して積極的に柳ケ瀬に降りるとは思えない。

そんなことを想像するのだが、結局は岐阜駅前付近で施設を出すのはリスクに感じるのだ。


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私は岐阜に住み、岐阜に育てていただいた人間である。

活性化は否定しないし、願わくば皆がハッピーな形で活性化することを望んでいる。

しかしこのシンポジウムでは厳しい印象だけが残ったのが正直な感想だった。

岐阜市に限らず少子高齢化の流れは止まらないが、歩けば健康に良いとは分かっていても、高齢になれば数百メートル歩くだって大変なのだから、健康寿命を伸ばすためにとわざわざ柳ヶ瀬へ向かわせるには郷土愛だけでは限界があり、なんらかのインセンティブが無いと無理だろう。

考えてみれば日本は高齢者と障害者だけでも人口の3000万人もいる。
これはすなわち歩行難民はどんどん増えていくことを意味している。

であるならば、私なら、ほとんど歩かなくても観光が実現できる街にする。
観光で来る高齢者はお金に余裕があるだろうから、快適に移動できる手段にコストは惜しまないだろうから。

あるいは日本で初の街全体が完全バリアフリーな岐阜市にするとか。
そっちを目指す。


他方では「街なかの居住人口を増やす」というのもテーマにあったが、これも厳しいと思う。

なぜなら駅近の分譲マンションを除けば中心市街地の賃貸住宅は駐車場維持コストが高く家賃も高いしそもそも魅力的でリーズナブルな賃貸住宅自体が少ない。

また、中心市街地からクルマで数分のエリアには家賃並みかそれ以下のローン負担で買えてしまう分譲住宅がいくらでも販売されている。

故に中心市街地の居住人口を増やすなら主に単身世帯がターゲットになると思うが、中心市街地の単身世帯向けのアパートやマンションは裕福な単身者か、低所得な単身者が住むような物件が目立ち、中間層が気軽に住めるグレードのアパートマンションは少ない状況だ。

岐阜市内には家賃2万から3万円台のワンルームはたくさんあるが、しかしそれらの安い物件の大半はいわゆるユニットバスだ。

バス・トイレ分離型のキレイなワンルームマンションは、若い単身者が毎月気軽に支払えるようなや賃貸設定になっていない。

他方で、戸建住宅と同様、ちょっとだけ郊外へ行けばリーズナブルな家賃で設備も充実し、しかも駐車場も付いたワンルームが余裕で借りられる。

であれば、わざわざ中心市街地に住む意味がないと考えるのは自然だろう。


中心市街地活性化といえば商店街の活性化や移動手段の効率化、高齢者と健康といった論点で語られることが多いように感じるのだが、私は従来とはまったく異なる発想が必要なのではないかと思っている。

空き家問題が深刻だが、空き家の多くは建物の価値はゼロに等しい。固定資産税や都市計画税は土地の価値に対して払っているようなものだ。であるなら例えば土地は所有権のまま維持していただき、建物は借地権に切り替えるなどしてタダ同然にて譲渡し、リフォームして住んでもらえば、下手に中途半端で狭い間取りに家賃を払うよりも、自らリノベーションした方がトータルで安く住むことができる。

土地所有者は地代を受け取り、固定資産税を払いながら土地は維持できるのだから資産は残せるが、そういった手法も検討できるといいだろう。

他には移住促進のための住宅に対するインセンティブもあると良いだろうし、今回語られなかった保育施設の充実など徹底的な育児支援も最優先の課題で、ハード面以外にも検討すべきはたくさんあるように思う。

今日のブログはやや批判的な内容に感じられるかもしれないがお許し願いたい。こんな私でも郷土愛はあるし、岐阜で育ち、岐阜が好きで、岐阜の活性化と発展を心から願う人間なのだ。だからこそ私なりに思うことを書いてみた。
どうかお許しいただければ幸いである。 

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