私が育った家は日当たりの悪い一戸建てでした。
北側に道路がある狭い土地で、南側には大きな家が建ち、庭も無い小さな家です。

両親が自営業で1階部分はほとんどが仕事のスペース。
そして家族5人が過ごす6帖程度のダイニングキッチンがありました。

2階は両親の寝室とそして兄弟3人が過ごす和室だけ。

そうした家で暮らして思うのは、日当たりの悪い家は、多かれ少なかれ家族関係や健康に影響するのではないかということ。

そんなふうに思います。

そして、私の父は階段を踏み外して転落し、62歳のときに要介護になりましたが、原因は寝室が2階であることと2階にトイレが無かったからで(当時の戸建ては2階にトイレが無いのはあたり前でしたが…)高齢になって2階への行き来はケガなどのリスクが高い住まいだと思います。

しかし日本の家屋の多くは2階建てです。
近年は核家族化や高齢化が進み、2階を利用してない家というのは増えていますが、私が過ごした家は1階で自営業をしていたこともあり、オフタイムは2階で過ごさざるをえず、いま思えば起こるべくして起きた事故だったように思います。



日本では住み替えという概念がほとんどありません。
新築が9割、中古が1割と新築信仰の強い住宅市場です。

築20年や25年で建物の価値はゼロ円になります。
そんな家は売るに売れないということもあり、若いときに建てた家に住み続けることがあたり前です。

しかし欧米ではまったく逆で、新築1割で中古が9割。
しかもメンテナンスが行き届いていれば買ったときより高く売れるというのが欧米の住宅市場。

住宅に投じた費用は貯金と同じように目減りしない資産への投資だから、他のことに安心してお金が使えるし、家族構成やライフスタイルに合わせて住み替えることができる。

けれども日本の場合、住宅は消費でしかないため、おいそれと住み替えができません。

高齢者になったとき、資金に余裕があれば夫婦ふたりの暮らしに見合った住まいに住み替えたり建て替えるでしょうけれど、多くの人はバリアフリーでもない2階建ての一戸建てに1階部分だけで暮らしているのが現状だと思います。

これは私の個人的な思いであり事業化するかは分かりませんが、高齢夫婦にちょうどいい2LDKくらいのバリアフリーな「平屋住宅」を分譲するのが夢のひとつ。
要介護になっても安心な間取りで設計されている家を供給したいと考えています。

ずっと空き家活用を掲げてきましたので、新築住宅の供給はこれまでと言ってることが矛盾します。
ただいつも思うのは、必要な住まいは供給すべきであり、結果的に空き家を増やさなければいい、というのが私の考えです。


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※これは推定築年数60年の家。
 くらしケアの事務所のリノベーションをしてくれたスギさんの作品です。



そしてここからがミソですが、高齢夫婦がそれまで住んでいた「バリアフリーでもない2階建ての一戸建て」を下取りし、リノベーションして若い子育て世帯に安い価格で販売したり、グループホームや障がい者向けシェアハウスに転用する。ディーラーでクルマを買うのと同じ考え方です。

そうすれば空き家は生まれませんし、必要な人に必要な住まいを届けられるはずです。

日本は住宅にかける費用が多く、資産にもならず、お金を消費するばかりで住み替えも困難。
加齢に伴い住みなれた住まいが住みづらくなり、不自由をガマンして暮らしている高齢者と、多額のローンの払って家を買っている若い子育て世帯に良い提案になるような気がしています。


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