日曜日の今日はプレゼンテーション資料の作成をしてました。

この資料は金融機関や投資家向け。くらしケアの事業内容や成長戦略を説明するためのものですが、忙しい方を相手へのプレゼンテーションは結論から始めるのはもちろんのこと、枚数はできるだけ少なくして無駄を削ぎ落とす必要があります。

資料の出来が良いと口頭であれこれ説明しなくても「資料が勝手にしゃべってくれる」ので、良い資料づくりを心がけて丁寧につくります。



訪問看護ステーションが増える一方で、消えるステーションも少なくない現実


さて、資料の1ページに全国の訪問看護ステーション数を入れようと思い、データを見返していたのですが、訪問看護ステーション数は1万ステーションに届くところまで来ています。

昨年4月1日時点で9735件。1年で665も増加しています。
この数字にはいわゆる「サテライト」を含んでいないので、実際にはもっと多くなります。

一方で廃止や休止も多く、平成28年中の廃止数は462件、休止数は224件となっています。

廃止とはいわゆる「つぶれた」と説明したほうが一般的にはわかりやすいかもしれません。

休止は、なんらかの事情で店を閉めている状態。

休止の場合、復活するステーションとそのまま廃止へ向かうステーションがあると思いますが、それに関する統計はありませんでした。

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訪問看護ステーションが消える理由


廃止や休止が発生する原因は大きく2つあると考えます。

ひとつは人員不足。

訪問看護ステーションを開設するには看護師3名必要ですが、看護師の離脱により継続が困難になるケースです。
(厳密には常勤換算で2.5人必要というルールがあるのですが、一般的にはわかりづらいと思うので3名と書いておきます)



もうひとつは経営難。創業した看護師に経営ノウハウが無いというもの。

訪問看護ステーションを始めるには初期費用として最低500万円から1000万円くらいは必要(コンサルタントを頼むと、もっとかかるかもしれません)で、自己資金で賄うのか、あるいは銀行から借りるのか資金調達の方法は様々ですが、せっかく立ち上げてもうまく軌道に乗せられずに廃止になれば、このお金をすべて失うことになりかねませんので、そうそう簡単に始められるものではありません。

また訪問看護ステーションが休止廃止になる原因において、不足していると思うのは運営ノウハウです。というのも、多くの訪問看護ステーションが最低限の3名の看護師「だけ」が集まりスタートしてますので、在宅医療や看護に対する強い思いを持っていたとしても経営に対するノウハウがありません。


どんな会社も立ち上げるのは簡単で、お金を払って司法書士に頼めばあっというまで出来てしまいます。

しかし維持していくことはそう簡単ではないのです。

訪問看護ステーションを始めるには株式会社やNPOなどの法人格が必要ですが、自然人である人間に血液が必要なように、法人には血液の変わりとなるお金が必要。 

血が止まれば人は死ぬように、法人はお金の流れが止まれば廃止や倒産に至るのです。


そもそも看護師は看護師。経営者ではありませんよね。

だから「思い」で訪問看護ステーションを始めるまえに、まずは経営をしっかり学んでからのほうが良いと思います。



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思いのある訪問看護ステーションを支援するためにくらしケアができること


くらしケアの今後の事業展開ですが「経営が大変だけど利用者様のために続けていきたい」という思いのある既存の訪問看護ステーションを応援することを行っていくつもりです。

経営不振で廃止になる前に出会っていれば経営的に立ち直らせられるノウハウを提供できたらと考えています。

地域で生きづらさを感じている人を救おうと日々活動している訪問看護ステーションが廃止に追い込まれるのはあまりに残念すぎるから。

廃止するくらいなら私たちくらしケアに声を掛けて欲しいです。生きづらさを抱えている人たちに、あなたの経営するステーションを知ってもらえるよう全力で支援します。